2024.05.21

Microsoft 365に含まれる「Microsoft Teams」(以下、Teams)は、さまざまな機能を統合することで、“ビジネスの中心”になり得るコラボレーションツールです。
高い利便性は他社の同ツールを脅かす存在であり、実際に、競合となるSlack社が独占禁止法違反で提訴するといった事態にも発展しました。

そこで今回は、Teamsがなぜこれほどまでに注目されるようになったのか、その魅力について解説していきます。

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CONTENTS
1.急速にシェアを伸ばしたTeams
2.ビデオ会議だけじゃない!Teams独自の魅力は“統合性”
3.単体購入も可能!Teams導入がより手軽に
4. Teams導入サポートならJIMUKIにお任せ
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1.急速にシェアを伸ばしたTeams

2019年11月、Microsoftは「Teamsの1日のアクティブユーザー数が2,000万人を達成」と発表しました。
この数字は、以前までコラボレーションツールとして大きなシェアを占めていた「Slack」を大きく上回るものです。

ドイツのデータ調査会社・Statistaの統計によると、Teamsは2018年頃から急速にアクティブユーザーが増加。2019年7月から数えると、わずか4カ月で50%以上の伸びを見せています。

引用:Microsoft Teams Powers Past Slack | Statista

1-1.危機感を募らせるSlackがMicrosoftを提訴

Teams台頭の発表を受け、競合であるSlack社の株価は8%以上の急落を見せます。
危機感を抱いた同社は2020年7月22日(現地時間)「Microsoftが独禁法違反を犯している」と、欧州委員会へ提訴しました。

内容は「Teamsが市場を不当に独占している」というもの。
当時のTeamsはWordやExcelなど、世界的にも需要の高いオフィス製品と抱き合わせで販売されていました。
Office 365を導入すれば、同時にTeamsのユーザーになるという図式が出来上がっていたのです。

1-2.Slackが抱えるリスクはTeamsが“便利すぎる”から?

それでは、なぜここまでSlack社はTeamsに対し危機感を募らせているのでしょうか?

そもそもチャットツール単体としては、Slackの方がTeamsより使いやすく、人気なのです。
にもかかわらず、提訴をしてまで勢いを止めたい理由は、チャットだけでは仕事は完結せず、その後の仕事が必ずあるからです。その仕事の中心になっているのはMicrosoftのExcelやWordです。それが統合されている便利さにユーザーが気づいてしまえばもう取り返しが付きません。

次項から、コラボレーションツールの代表格でもあったSlackを脅かすほどの“便利さ”を持つTeamsの魅力を解説します。


2.ビデオ会議だけじゃない!Teams独自の魅力は“統合されている事”

「Teamsが便利」と聞いても、実際のところまだよくわからないという方もいるでしょう。

例えば、Teamsについて以下のように感じていませんか?

・大企業から招待されることがある“使いづらい”ビデオ会議ソフト
・ログインでよくエラーが起こるから、仕事では使えない
・常駐しているだけでパソコンが重くなるからアンインストールした

こうしたデメリットにもみえる点は、裏を返すとTeamsの独自性・優位性になります。

例えば、重い・トラブルが多いという点は「Teamsがさまざまな機能の中心基盤となる統合ツールだから」と説明できます。
また、大企業が採用しているという点は、信頼性の高さを示しているともいえるでしょう。

上記について詳しくお伝えするために、ここから具体的なTeamsの機能についてご紹介します。

2-1.ビジネスで求められる機能を網羅した統合コラボレーションツール

Teamsは、他社が単体で提供する機能の多くを統合している、という点に独自性があります。
具体的には「チャット」「ビデオ会議」「共有フォルダ(クラウドストレージ)」などです。

例えばSlackで共有フォルダを利用しようとする場合には、GoogleドライブboxOneDriveなどの利用が一般的です。
複数人でオンラインミーティングを開催する際には、Zoomなどのサードパーティ通話アプリを利用される方が多い傾向にあります。

Teamsであれば、これらの機能がひとつのプラットフォーム内で統合されているため、追加でアプリをインストールする手間はありません。
また、機能の切替もスムーズで、Teams内のみでさまざまな業務を完結できます。

もちろん、それぞれのトップを走るソフトと比較した際に少し使いにくい、といったデメリットもあります。
一方、すべてが統合されているという点は、大きな独自性といえるでしょう。


2-2.ビジネスを加速する各機能のシームレスな連携

前述のとおり、Teamsは多機能かつシームレスな連携を実現できる、いわば「Microsoft365」の中心的ソフトウェアです。
より具体的なメリットについて、以下でご紹介します。

2-2-1.チャット・ファイル・フォルダの統合

Teamsは、各チャットルーム(チャネル)に関連フォルダが自動で作成される点がユニークです。
他社製チャットでは、チャットと共有フォルダが別々のアプリで管理するものが多く、ファイル保存後は「このURLの場所に保存しました」といったやり取りが発生する場面も少なくありません。

Teamsであれば、チャットに直接ファイルをアップロードするだけで共有フォルダへの保存が完了。
そのプロジェクトに関連するデータとやり取りがひとつの場所に集約されることで、管理しやすくなります。

「投稿」の裏側には必ず「ファイル」がある
2-2-2.Excel・Wordの共同編集

ExcelやWordは、誰かがファイルを開いている状態だと編集ができない仕様となっています。
一般的に、共同編集を行う場合にはOneDriveにファイルをアップして、相手のメールアドレスを指定して共有する必要があります。

Teamsでは、チーム内のメンバーには自動的に共有設定が組まれているため、上記のような手間は不要です。
投稿されたExcelファイルを、チャットルーム内のメンバーが同時にアクセスして即編集しはじめる、といった環境があらかじめ整っています。

2-2-3. Power Automateを用いた自動化

Teamsには、Power Automateと呼ばれる自動化ツールが標準で搭載されています。各機能を組み合わせることで、具体的に以下のような業務を自動化できます。

・Excel内のデータに沿って、チャットへリマインダーを自動投稿する
・FAXを受信した際に、あらかじめ設定したチャネルへデータを自動投稿する
・特定の件名のメールを受信した際、チャットルームへと自動転送する

上記以外にも、アイデア次第でさまざまな業務を自動化できます。

弊社の「FAX受信」チャネルの様子

2-3.その他のTeamsの便利アプリ

上記で解説した以外にも、Teamsにはさまざまなアプリが用意されており、それぞれがシームレスにつながります。

例えば、「Planner」と「To Do」はタスク管理用のアプリです。
Trelloなどのプロジェクト管理ツールに競合する機能ですが、これをチャットと統合できる点は大きなメリットです。

チャットで依頼された仕事をPlannerに登録、タスクを振り分けている様子

ブック単位でドキュメントを管理できるデジタルノートアプリ「OneNote」もおすすめです。
オンラインミーティング中の議事録作成や、マニュアルの管理などに適しています。

その他にも、部門内での承認プロセスや意見集約に便利な「承認」アプリや、日々の業務報告をチャットやチャネルを通じて効率的に管理できる「日報」アプリ、チームや組織のスケジュール調整に役立つ「シフト管理」が用意されています。


3.単体購入も可能!Teams導入がより手軽に

2024年4月、Microsoftはビデオ会議ツール「Teams」の単体販売を全世界で開始しました。

この理由は、冒頭のSlackによる提訴がきっかけです。
欧州委員会が独禁法違反の調査に乗り出したことを受け、Microsoft Teams Essentialsが用意されました。
これはMicrosoft365における最も安価なプランです。

Microsoft 365の導入が必須だった頃に比べて、現在はTeamsが導入しやすい環境となっています。
コスト面で二の足を踏んでいた方も、ぜひこの機会に導入を検討してみてください。


4. Teams導入サポートならJIMUKIにお任せ

JIMUKIでは、Teamsの導入サポートに加えて、機能のカスタマイズも提供しています。
Teamsを導入する際の具体的なニーズに合わせてカスタマイズ可能なため、それぞれの企業に応じた最適なセットアップが可能です。
Teamsの導入やカスタマイズに関しては、ぜひJIMUKIにご相談ください。

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